これは本当に 東京スター銀行 が行った 外貨立て定期預金 を元にしている。 はっきりいって、こういうのがありだとは思っていなかった。 やはりこの不景気な時代、 こういう悪どいことの100や200思いつかなくてはだめだな、と思った次第。
基本的な話はこうです。
ドル立ての定期外貨預金があります。 預けられる金額の基本単位は300万円です。 預ける期間は1ヶ月。 利率はこの1ヶ月で1%になります。 12ヶ月で12%というわけです。 問題は、これは儲かるのか?という点です。
話を簡単にするために、 税金とかそういうものは無視するとしましょう。
ドル立ての定期外貨預金であるということは、 預ける際には円で預けます。 直後にこれをドルに交換します。 1ヶ月預けるとこの金額が1.01倍になります。 その直後にドルを円に交換します。
ここで重要なのは、
円ドル/ドル円交換は回避できない、という点です。
交換の度に手数料が1円づつかかります。
これはどういう意味かというと、仮に1ドル120円だとしましょう。
円をドルに交換する際には1ドル121円で交換します。
逆にドルを円に交換する際には1ドル119円で交換します。
x 円を預けるとします。
円/ドルの交換レートが y円/ドルとします。
また、1ヶ月後も同じ交換レートだとしましょう。
円をドルに交換して (x/(y+1))ドル。
これを1ヶ月預けると1.01倍になるので
((x/(y+1))*1.01)ドルになります。
これを円に戻すので (((x/(y+1))*1.01)*(y-1))円が
手にはいることになります。
さて。実はいくら預けるのか、は全然関係ありません。 いくら預けたとしても(y-1)*1.01 / (y+1)倍されて 返ってくるわけですから。 この倍率が 1.0 を越えていれば、 預けた金利のすべてを取られることはない。 逆に 1.0 を下回っていると預金による利子はすべて 円ドル交換の手数料に持っていかれてしまう、と言うことだ。
1.0以上になるポイントを調べるとこうなる。
1.0 | < | (y-1) * 1.01 / (y+1) |
y+1 | < | (y-1) * 1.01 |
y+1 | < | 1.01* y - 1.01 |
2.01 | < | 0.01*y |
201 | < | y |
つまり1ドル201円以上の円安でなくては利子はすべて東京スター銀行に 持っていかれる、ということだ。 たとえば120円/ドルの場合、6694円の赤字が出ることになる。
こういうのってありなんですねぇ。